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穹が凪ぐ音の夢

エロゲの感想や自分の一日を日記みたいに一生懸命、書いてます。

サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む- 感想

以下感想
ネタバレあり注意

サクラノ刻






























枕から発売されたエロゲ。
ここのメーカーは既に何本かプレイ済み。勿論前作「サクラノ詩」もプレイ済み。
長年待ち望んだ続編だけに期待大。







1章 
静流 サクラノ刻
静流視点で語られる中村家と鳥谷家の話、そして静流の青春の物語。
序盤の流れからあくまでも一般人枠の静流が中村家の没落を第三者のような目線で語られるのかと最初は思っていたが全然そんなことはなく、後半は本物に似た贋作を作るために2年の月日をかけて努力しており、静流の陶芸家としての人生を短いながらも歩んでいたように思えた。実際できた作品は確かに贋作であったが本物でもあった。健一郎の「友に認められた素晴らしい作品」という言葉が本当に救いになったんだろうなあ。
今作の敵…というか圭を救い出すための難敵の麗華は最初こそ高慢だったが、鳥谷家に嵌められてからは本間家に取り繕ったりするために自分を曲げる人生を歩んでいるのが少々可哀そうかなと思える。だからこそ静流が贋作と言っても、静流の作品を本物と最後まで叫び続けていたのもプライドなだけじゃない気もするんだよな。この時点で感じたのは多分静流が作った本物を手放したくなかったんじゃないのかなあと。

しっかし、最初だから退屈かなと思っていたけど、後半からの展開はやっぱ面白いね。そして健一郎の芸術家センスのヤバさよ…画家だけでなく陶芸としても一流なのかよ。







2章
直哉 サクラノ刻
ここから直哉視点。
いわゆる日常回みたいなもので直哉の教師としてまた美術部の顧問としての生活が中心となっている。
色々吹っ切れたと思ってたけど、いまだに圭に囚われた感じがしていたが、最後にようやく教師として歩もうと決意したのは良かった。ただ絵を描く気配が見えないし、ここからどうなるのか…全体のプロローグとして非常に気になる展開だった。

美術部生徒も天才から凡人、果てには見る専みたいなキャラもいて個性的。詩の時からそうだけどやっぱ桜子可愛いよなあ…ストーリーの都合上仕方ないけどなんで攻略できないのかなあ…。
藍は相変わらず直哉の幸せを祈っていて本当らしいというかなんというかお姉さんみたいな感じだね。そんな藍が言っても直哉が新しい幸せを掴む=誰かと恋をするという事をしないのは圭の存在か、はたまた藍がいるからか…。







3章
放哉 サクラノ刻
中村家・本間家・恩田家の確執、そして寧が芸術家として本当の意味で歩みだす章。
しかし恩田家は相当に歪んでるな。寧やその母親はあれだけ本間家にやられたからそりゃあ恨むのも無理はないが、放哉は特にぶっ飛んでる。美に魅了されたから圭は死に、そして寧もまた同じことを繰り返そうとしていると考えてるけど本当に魅了されてるのは他でもない放哉だと思うわ。心鈴に目が曇ってるって言われるのも無理はない。

個別ルートに繋がる道を選んだ場合、直接対決を通して寧と心鈴は同じ芸術家として全く違う努力をしていたことが明らかになる。寧は技術を磨くことに徹底したが、心鈴は芸術のために文学も嗜んでいた。お互い芸術に全力だったが、真に深みへと潜っていたのは心鈴だった。芸術とは小手先よりもその世界観を磨くことが重要ということなのだろうかなあ。
そして寧が本物となり、その師となってくれた心鈴と和解。心鈴が寧の事を画家として認めた時は寧の苦労が分かり感動した。あれだけ才能才能言ってた寧も吹っ切れた感じがするし、寧は一安心ってことだろう。心鈴も眼や才能のせいで色々言われたり避けられ続けたりしたが、本当はただ描くのが好きな普通の女の子。猫に嚙まれたり、寧に抱き着かれて照れたりと可愛らしい所が多くみられて良かった。

一方で4章へと進む場合、寧も本物になれない所か直哉が負債をもろに受けることに。中村章一の銃を向けられる絶体絶命な状況…。
この先どう展開していくのか…。







3章(心鈴√)
心鈴3 サクラノ刻
寧と和解し、さらに自らを宮崎みすゞと明かしたことで美術部の面々と仲良くなりさらに色々な表情を見せてくれるようになった。
何より照れ顔が可愛く、顔が真っ赤になるとすぐ後ろを向いたり目を背けたりと行動がいじらしすぎる。
ただ告白された時はかなり動揺してたけど、初H以降は割と積極的に直哉と一緒に過ごすようになり、さらに表情も明るくなり、ふざけた冗談も言えるようになってたりもする。…まあたまに冗談じゃないのもあるけど。
心鈴4 サクラノ刻
グルグル目可愛い。

直哉も教師として様々な問題を抱えるもそれを乗り越えていく。そこにいるのはもう芸術家ではなく、一介の立派な教師という姿がとても強く伝わってきた。礼次郎も不器用なだけで実は家族の事を考えていたらしいし。…ただ麗華はマジでああいう性格なんだなあ…。まあ子供の心配をする母親って感じなのはわかるけども。
心鈴と直哉の海での出会いを中心に「瞬間をとじこめた永遠」という言葉が思い出されたそんな話でした。

……Hシーンはライター・すかぢの性癖を思う存分ぶちこまれた内容。
最初こそ、直哉の喘ぎ声うるさいなあと思ってたくらいでそれ以外は普通な感じだったけど、心鈴が男根の張手を作ったところから徐々にきな臭くなり、最後のHシーンではとうとう疑似フタナリ化。わざわざ選択肢で分けて数を増やすほどの力の入れようでいい加減にしろ!とツッコミを入れたくなった。
まあエロいんですけども。

負債の方も色々チャラになったっぽいし、直哉は教師として生きることになるまあハッピーエンドと言える終わり。







3章(真琴√)
真琴2 サクラノ刻
前作「サクラノ詩」からヒロイン続投。
静流関連により直哉とタッグを組むことに。
社会人になり色々苦労しているがそれでもノリは変わらず良い。…ただ性的な事もノリするようになってるけど…(そこは直哉の事が好きだったからだけども。)だが天才達の中の凡人である真琴が知らない所で話が進みそして仲間がどんどん消えていった青春時代を送ったということから、一定の距離感を保つことによりこれ以上失わないようにしていた。確かに真琴は失いすぎたからなあ。

話自体は1章の続き。
麗華は結局自分の夢を静流と共に歩みたいという想いからあの壺を欲していたんだなあと。麗華も相当あくどい事をしていたけど、ここまで何もなくなると流石に可哀そうだな。芸術の才能がないからこそ描いた夢を次々と潰された苦しみは想像を絶する物だろう。
最後は和解したから良かった。

直哉は真琴に性的な所で翻弄されるわテキーラショット対決でぶっ倒れるわと散々な感じだったが、最後の最後でしっかり告白をかましてくれた。正直そのまま別れるセフレエンドだと思っていたよ。欠けた指輪は欠けた月を表す「既望」「幾望」、そしてここから満月に…幸せになれる「希望」を掛けているのだろう。(EDのテーマもそうだったし)

1章であったわだかまりを見事に解いた面白い話でした。

Hシーンは野球拳の所が好き。







4章
圭3 サクラノ刻
この章は正に圭の歩んできた人生。
芸術に憑りつかれた少年はどのようにして生きてきたのか…。
圭は最期まで草薙直哉、そして健一郎の二人を見てきたんだなと強く感じた。ただ、健一郎と出会わなければ、会わなければ、バイクを乗りさえしなければこのような死にはならなかったかもしれない。でも、それが無ければ心鈴と出会わなかったし、このような芸術を作り出すことはできなかった。そして圭自身も生きてきた一瞬に満足している。なんて素晴らしい感覚だろうか。
描かなかった直哉の事を最後まで追わなければならないライバルとして見てきて最後の最後で文字通り全てを尽くして書いた「向日葵」でようやく追いつくことが出来た。その語りを聞いた時に涙ボロボロでしたよ。まあその前の心鈴とのやりとりでもう駄目だったけどね。
圭6 サクラノ刻
ここのやり取り本当好き。

詩ではあまり知らなかった圭だったがこうも厳しい人生を送っていたとは…。実際見たら本当驚いたな。
ただ、周りの人物は恵まれていたのは確かで、そこは良かったんじゃないだろうか。
そして心鈴の師匠が判明。ちょっと予想してたのと違かったかな。

本当に感動した4章でした。







5章
直哉4 サクラノ刻
3章がかなり意味深な所で終ったからどうなることかと思っていたら特に危険な事にはならなかった…まあ直哉犯罪者寸前だけど。
この章はまさにサクラノ詩から続く物語の集大成。稟と雫、アリア…いや里奈、圭を師と慕う心鈴、そして香奈と芸術家が一堂に会し、しかも戦うという。まさかこのような形で行くとは…。
アリアの正体が里奈というのはまあ分かりやすかった。そもそも3章のアナグラムってヒントが分かりやすすぎた。
それぞれ異なる道を歩んでいたが、直哉を絵の世界に戻すという想いは一緒。圭を失った直哉のために皆が筆を取る。与えてばかりだった幸福な王子のために…。
稟 サクラノ刻
このラスボスの風格

後半の勢いは物凄く、そのすべてが名シーン。
直哉と香奈の戦いは特に素晴らしい。凡人と言われ続けた香奈が、全ての絵の切っ掛けである天才・草薙直哉が本気で戦ってくれる…。それがどれだけ幸せなことなのか…。
香奈3 サクラノ刻
満身創痍でも笑顔で描きつづける香奈の姿に涙腺飛んだ。
またどんな状態になっても直哉に付き添い続けた藍も本当好き。血だらけでも絵を描く直哉を止めたいのに直哉の事を想って止めなかった藍も本当に直哉の事を考え続け、好きなんだなと。

そして何と言ってもですよ。いきなりボイスが入ったと思ったら直哉が思い切り圭と叫び、そして……

圭8 サクラノ刻
ここでこれは反則だって…こんなん耐えられないに決まってるじゃないか…。
最後の直哉の絵画は正に櫻の芸術家ならではで咲き乱れる桜の演出は素晴らしかった。

誰もが直哉を想い、そして立ち上がれるよう支えた。
そしてここでようやく圭の死を乗り越えられたのだろう。
素晴らしすぎる5章でした。
藍4 サクラノ刻
正ヒロインの風格





6章
夏目 サクラノ刻
本編のエピローグ。
それぞれどのような生活を送っているのかが分かる。
教師になった人もいれば、別の方法で絵に向かっている人もいる。それぞれの新しい旅立ちが見れるのはその後の想像もつきやすい演出だろう。
まさか坂本さんやら片貝が出てくるとはなあ…特に片貝とか今作のMVPでもあるだろ…。

前作では藍と二人で歩いた階段を今度は三人で歩いていく…ああ、本当にこれで終わりなんだなあと思うとね…寂しくなるよね。
EDで散々だった放哉が寧に絵を教えていたり、真琴√ではないため仲違いしていた麗華と静流が仲良くしていた感じがあり、殆どの人は救われた感じだろう。……あの宮崎破戒先生は?いいの?

ただ、少なくとも5年以上経ってるはずなのに立ち絵が変わらないのは違和感だった。特に学園長…あんたもう老齢じゃない?




シナリオ☆3つ

サクラノ詩で残したものを全てやりとげた印象。
与えて続けた幸福な王子のために各々がやり方は違えど描き続けた物語は素晴らしい。
圭の人生そのものの4章もまた素晴らしく、「だからその先で--たぶん、俺はお前に追いついたよ。」という言葉が圭の想いが伝わってきて印象に残った。
5章以降はもう熱いし感動するし感情滅茶苦茶になりました。



キャラ☆3つ

詩から続くキャラも刻で新たに登場したキャラも全てが素晴らしい。
個人的に一番株が上がったのは香奈。この娘、詩だと後半悪役ムーブしてなかったけ?こんな一途で良い娘だったのか…。
そして藍先生の直哉に対する献身的な姿よ。やっぱ直哉の隣にいるのは藍先生だよな。
若干学生達が空気になってしまったのは否めないがまあ刻の話の関係上仕方ないんじゃないかな。
心鈴は最初のクールっぽい印象と全然ちがくて可愛かったです。



音楽☆3つ

OPの「刻ト詩」は最初直哉の事かなと思ってたけど、実は直哉と圭だったという事がわかり鳥肌。
詩の入りからサビまで全てが良い名曲。
EDはやはり「Monpanache!」でしょう。今作の全てがかかっている歌詞は最高です。「櫻の詩-2023Mix」も度肝抜かれたけどね。

BGMも静かなピアノ曲から激しい音まで様々。というかshadeも担当してたのが驚き。…まあどの曲か滅茶苦茶分かりやすいんだけども。


Rシーン☆1.5つ

ふたなり、百合ックスとライター・すかぢの性癖爆裂。
ふたなりに至っては心鈴がさも当然のように疑似イチモツを作ってて笑った。

普通のHもあるけど、結構真面目にHしてない。というかネタに走っているの多数。
心鈴5 サクラノ刻
性癖炸裂。



総合99点

近年まれに見る傑作中の傑作の一作。
正直そこまでには至らないだろうと高を括っていたが、ここまでの出来だとは思わなかった。
完璧と言わざるを得ない。プレイしてどれだけ心に突き刺さったか…それほど素晴らしいゲームでした。








夏目2 サクラノ刻


  1. 2023/03/03(金) 23:13:49|
  2. エロゲ感想2023年
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<刻のお陰(?)でモチベダウン | ホーム | こっちに被害が被る。>>

コメント

は?え?
駄作でビビったんだけど・・・
5章ひどすぎ
スレでも9割批判だし甘く見てもせいぜい85点
  1. 2023/03/20(月) 12:31:35 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

自分的には5章は面白かったですが…成程そういう感想も多いのですね。
なにぶんスレとかは見てないもので…。
  1. 2023/03/20(月) 19:57:27 |
  2. URL |
  3. 音夢21 #-
  4. [ 編集 ]

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