羊
登場時はかなり暗い性格だったが、その後凄くなつっこい猫みたいになった後輩。
好き好きアピールがかなり強く、マシンガントークで全力でぶつかっていく一方、主人公・渚以外は男としてみていない。
所々で闇を抱えているような感じだったが、その正体は願いを叶えた貰った命を助けられた猫……ではなく火傷や心無いファンの言葉で精神をやられた臆病な元アイドル。途中までこの正体猫だろ…と思っていただけに見事騙された。ミスリードだったのね。
人を信じられない羊に全力で想いを伝える渚はまるでかつての関係と逆のように思える。このようになったのも羊が全力で渚を愛していたからだろうな。
最後は渚の気持ちを羊がちゃんと応えてくれたのは良かった。まだ前ほどではないが明るくなってきているし、いつかまたあの積極的でハイテンションな羊の姿が見れる時がくるのかもしれないと思えるようなエンドだった。
つかさ
クールでぺったんこ生徒会長。
生徒達の纏め役ということもありなんでもテキパキこなすが、トラブルに弱い所も。
そして話の途中で突然のロリモード(中身)。
普段と180度違う性格でその性格はまんま子供。しかも切り替わりが突然だからなお質の悪い。
正直本当に呪いなのでは?と思っていたけど、実際はつかさの過去からなった願いからで、父親がいなくなったことによりようはあの頃に戻りたいという想いから大樹が叶えた…という感じだろう。
途中までクリスマスパーティーやロリ化するつかさの対応等が多かったため、つかさの過去もその父親との本当の別れも少々描写が不足しているような気がした。父親がいないというのもつかさが語るくらいなだけだったし。
あと、子供状態のつかさにHする渚、いくら発情していたとはいえちょっと鬼畜なのでは…?と感じてしまった。
はるか
病弱で夏の間しか生きられず、自分の事を「セミ」と例える少女。
ただ、それに悲観せず限りある命を理解し、夏を精一杯楽しもうと頑張る健気な所がまた可愛らしい。
家族ごっこという3人のコントは面白かった。…ただそれが伏線だったんだよなあ…。
アリアを含む3人と一緒に生活しながらも、はるかと惹かれあって結ばれ、なんと子供ができるという展開に。
そしてアリアの正体は大樹の願いから生まれたはるかと渚の娘…ということなんだよねおそらく。
どんなに身体が蝕まれても、この先の未来のために頑張って産もうとするはるかは本当に強い娘。普段はお嬢さまみたいで世間離れな所もあるのに、しっかりと自分の意思は貫く強さを持ってる。最後奇跡が起きたかと思ったら、結局その後亡くなってしまって悲しい…。
ふたりで添い寝してはるかの願いを聞いていたシーンは涙腺が少し潤んでしまった。
真樹
森の中で一人キャンプをしたり研究をしたりする不思議ちゃん筆頭。
頭脳明晰でペンギンのロボを作るほどの一種の天才。だが、自分に自信があるせいか否定されると結構ムキになることが多く、頭が固い所も見受けられた。最も、ミスと分かればすぐ謝ったりするのだが。
渚と一緒に研究したりペンギンロボの開発をしたりなどしているうちに徐々に惹かれあい結ばれる。そこまでは聞くと普通な感じなのだが、その中でも過去へ戻ったり、真樹自身も自分の存在だったりと色々考えており、ある意味で今作の真相を追求しているキャラと言えるのかな。
そして、夏から出て全てを知った結果、渚と別れる&全員の記憶からの抹消というまさかのバッドエンド。
この時点では真相こそ分からなかったけど、どうやらこの島は現実とは異なるという事が明らかとなったシナリオだった。
と思いきやまさかの2週目有り。
これにはさすがに驚いたよ…。
何となく察してはいたけど真樹の正体は友人だね。明確に現実とは違うという事を見せつけられた2週目だった。
最後は結局真樹は消えてしまった…というか夢から覚めたってことなのかな。
核心までもう少しというエンディングだった。
歩
渚の幼馴染で今作のキーパーソンで現実世界のメインヒロイン。
「ひくわー」という口癖とその表情がとても可愛らしい。そして朝起きられない。まだ寝るための言い訳もまた可愛らしい。
触れると相手のここを読めるという能力(?)を持っているからか、渚に良くくっついている。
各ヒロインを攻略していくと徐々に話が進行していく。
仲のよい友人達と遊んだりする日々もあれば、転校からのすれ違いで徐々に幼馴染以上の関係へと意識していきやがて付き合うことに。
それでも普段と殆ど変わらない二人は見ていてとても気持ちの良い関係だった。
そして結婚の約束をしてからのエンディング……と思ったらここで渚が乗ってた船が…。
結婚の誓いを上げるために一つ船をずらしたらこうなるってしまって、これ歩の精神状態大丈夫なのか?
ナツユメ
今作の核心に迫る√。やはり歩は耐えきれなかったというか、一度は立ち直ったけど海に流れ着いたロケットやその気持ちを知って歩は夢の世界に閉じこもってしまったのだろう…。
他ヒロインはいわゆる夢の中の出来事ってことなのね。
夢先生の最後の言葉も好きだけど、やはり結婚式のシーンの瞬間風速はやばすぎる。bumpy-Jumpy!を流しながら歩が渚との別の演出が本当に素晴らしいし、何より歌詞の意味がようやく理解できた。本気で感動してしまった。
結局渚は故人だからもう帰ってこないのが悲しいけど、歩が渚との別れをきっかけに未来へ歩んでいくラストに繋がるのでまた良いなと感じる。
最後のインパクトが強い素晴らしい√でした。
シナリオ☆2つ
どの√も序盤は退屈だったが、徐々に明らかになっていく謎から先の展開が気になるようになり、2週目真樹√から一気にのめり込んだ。特にナツユメはあまりにも切なすぎて感動してしまったほど。
キャラゲーかと思っていたが、実際の内容は鬱ゲーでそこがまた予想外。
キャラ☆2つ
ヒロインは誰もかれも可愛い。個人的に一番は歩。
羊もガンガンに突撃していくタイプでまた魅力的だった。
主人公の渚は自分が既に死んでおり、さらに夢の存在ということを知っても、歩を立ち直らせるために背中を押してあげた良い主人公。
音楽☆3つ
EDの「夏風の一秒」はゆっくりした曲調で歌詞もかなり切ない良曲。
そしてそれ以上にOP詐欺だったのが「bumpy-Jumpy!」
明るいテンションの高い曲かと思いきや、歌詞はかなり切なく暗い。そして正に歩の事を歌った曲でナツユメで流れた時の衝撃は計り知れないものだった。
Rシーン☆0.5つ
シーン自体は3~4シーン程だが、初々しさを楽しむ要素が強く用途としては使えない。
お互いの愛を確かめ合っている感じ。
総合84点
エンディングから色々賛否分かれるだろうなと思った一作。
タイトルの「ナツユメナギサ」は今作にこれ以上にないほどあっている。
切ないながらも楽しめました。