シナリオ☆2つ
伝染病で蔓延る終末世界で田舎で一人になった主人公・ユウジと外部かやってきたミオと一緒に二人で暮らしていく物語。
既に多くの人は死に残った人々はやりたい放題な世紀末な世界観だが今作ではそういった暴力的な事は一切起きず、どちらかというとミオと共にスローライフを送っており、かなり平和である。
とんでもねえなおい。
選択肢は多く、会話の種類もかなり多く、例えばユウジがボケてミオがツッコミを入れたり、ミオと縁側でまったり会話したりと様々なミオの反応が楽しめるのも今回のポイントの一つでもある。
最初は馴染めなかったミオも徐々に慣れていく様子も見れて良い。
いつ死んでもおかしくない世界観だからか、今作は何より生きることがテーマになっているように思えた。
病に打ち勝つには主に「タンパク質」「生きようと思う気力」であり実際ミオも一度かかってしまった時も後遺症こそ抱えたが最後には持ち直している。一見ここまで広がった伝染病に対して「肉や魚を食っただけでこんなあっさり治る(克服できる)のかよ」と思うかもしれない。実際俺も思ったし、ここに関しては今作の欠点の一つでもあるし。ただ人が生きていくためには他の命を食べなければならないという命の尊さをメッセージとして残したかったためにこのような展開にしたのではなかろうか。
エンディングは4つあり、ミオとの別れ、二人死亡、ミオ克服、二人とも生存がある。そのうちエンディングが流れるのは別れ以外の3つ。
一週目でいきなり死亡エンドになって驚いたけど、ちゃんと生存√もあって良かった。
トゥルーは生存エンドなのだが、個人的に今後の世界が少しずつ持ち直していきつつある克服エンドが割と好き。ミオは後遺症を残してしまっているため完全なハッピーエンドではないんだろうけど。
死亡エンドは幸運等一切ないが一番すんなり来るエンディングで一本の映画を観た気分だった。
「伝染病」「夏の終わり」とタイミング的にタイムリーな内容だった。
世界を守るヒーローでなく、その傍らで田舎に暮らすモブの人々を焦点に当てたようなストーリーは多くの癒しを提供してくれた。
……ちなみに最初のタイトル画面から「ミオは生きるけどユウジは死ぬ」とかになると思ってました…。
キャラ☆2.5つ
登場人物は二人のみ。
ヒロインのミオは割とズバズバに物を言うタイプで好奇心旺盛な、それ以外はどこにでもいる普通の女の子。多くの反応を見せてくれるが、その反応どれもがとても可愛く、特に川ではしゃいだりする姿はとても魅力的だった。若干惚れやすすぎではないかなと思ったけどこの極限状態なら仕方ないのかも。
今作のレビューと関係ないのだが、ミオのCVは三咲 里奈。表でも割と活躍していた人で最近あまりエロゲには出演していなかっただけに久々に声が聞けて嬉しかった。(直近だと2021年にわがひめで出演してたけど、あそこのブランドは声優力半端ないから……)
主人公のユウジは様々なサバイバル技術を使って食料等を調達する等生きるために日々頑張っているが、ミオとの勝負で負けず嫌いを発揮したり、冗談も言ったり結構ユーモアな人物。
だが倒れたミオのために全力で支えようとするその姿はとても格好良い。
またキャラクターではないが背景が素晴らしい。
木々や人がいなくなった田舎の風景等がとても綺麗に描かれている。
ここの二人の後ろ姿がとても綺麗。
音楽☆2.5つ
OPの「悪戯」はイントロから引き込まれる良曲。
静かな曲調だがストーリー性があり、ミオと出会い、この世界で生き続けていこうと決心するユウジの想いが積もった歌詞。
BGMも田舎ならではの綺麗な音楽で凄く雰囲気が出ている曲ばかり。
Rシーン☆1.5つ
全部で5つ。
普通な恋人Hもあれば、自然の中でのHシーンもある。
ミオ自身がユウジの事を想って自慰したり、一日中Hしたいとせがんできたりとかなり積極的でエロい。こんなん言われたら誰だって頑張っちゃう。
可愛い。
総合80点
田舎特有の環境や雰囲気は突出したものがある。
特に荒れた世界の中での平和な日々というのは本当にかけがえないものであり、それを二人で生きていこうとする姿がとても印象的だった。決してヒーローに慣れなくても幸せになることはできる。
今だからこそプレイしてほしいエロゲ。