エロゲ感想
ネタバレあり注意

シルキーズプラス WASABIより2014年に発売されたエロゲ。
発売当時は購入しようとも考えずスルーしていた作品。
評判が良いのでとりあえずプレイしてみることに。
琴莉
裏表のない天真爛漫系少女。
気持ちがとにかく真っ直ぐで笑顔も非常に可愛らしい。テンションの振れ幅も凄く、荒ぶって叫び芸かましてる所が最高に面白くて笑える。特に変態おじさんの場面は最高。

気合入れてる所も可愛い。
そして真の助手としてやるときはしっかりやる。きららから謎の力で真を守ったり。
…このように非常に好感が持てるキャラだけにその正体が幽霊だったというのはかなりショックを受けた。
生前は家族との団欒もほとんど取れず、家族の温かみを知らなかった琴莉が死後に家族の幸せを知れたのはなんて皮肉なんだろうか。そして琴莉の家族も琴莉が死んでから毎日涙を流して後悔している。なんて重たい後悔なのだろうか。
そんな彼女だからこそ余計に犯人に対する怒りが半端ない。こいつは呪い殺されても良いレベルだ。
話の内容自体は王道的で分かりやすい。
ED1の「リンカネーション」は心に残るエンド。メリーゴーランドのやり取りや何より琴莉の最期の手紙はあまりにも悲しすぎる。琴莉の、真と共に生きたかった後悔はあるが、それでも次の人生を見据えて前に進もうとする想いが何とも……本当に強い娘だなと思う。

辛いよ…。
ED2「輝く日常」は成仏せず助手として現世にとどまる。
これもこれで1種のハッピーエンド。ED1と違い明るい感じで終わっている。
ただ先の事を考えるとただ先延ばしにしただけと見える所もあり、完全にハッピーエンドかと言われると…。

ある意味でトゥルーエンドかも?
個人的に琴莉は凄い可愛らしくて好きです。本当に幸せになってほしいキャラ。
由美
関係が自然消滅してしまった元彼女。
一度はヨリを戻したけど、結局真のお役目を理解できずにまた離れていく。…まああれに関しては真も説明不足だと思うし…。結局その後は伊予の案で事件も解決、由美にも理解されてとりあえず一件落着…。
かと思いきやここでまさかの琴莉が…。悪霊にならないための方法とはいえ鬼になるとは…。

犬耳琴莉も可愛い。
由美は今作における完全な一般人枠。霊の存在も信じないし、鬼の事情も一切知らない。その辺を理解しない女と見るか、一般人だから仕方ないと見るかで好き嫌い分かれるかも。個人的に憑りつかれた後の琴莉の理解をしっかり汲んでくれてるから割と好感が持てた。そしてエロい。通話Hエロい。
結局恋のキューピッドは琴莉だったんだなと。琴莉が由美に憑りつかなければまた自然消滅する流れになっていた。悪霊なんかじゃないよ本当に。
全てが完璧に丸く収まさった終わりではなかったが、琴莉の願いも由美の願いも全て叶えられていた√。

エロシーンの後に泣かせに来るのは卑怯。
真と由美と琴莉の3人の関係は本当に好き。

ある意味これが一番のハッピーエンドかも。
梓
新人刑事。霊が見える体質でビビりというおかげで反応が滅茶苦茶面白い。最初の伊予の脅かしからすでに笑える。年上だからか他のキャラよりも考えが大人っぽく、身を引く時はきっちり引ける女性。若干M志向だったり。ただ責任感は人一倍強く、背負いこみすぎな所もある。それ故に無茶な行動もすることも。
琴莉との最期は結局家族の誰とも合えずに成仏してしまったために本当に辛かった、そして悪霊になりかけた琴莉を一切怖がらず抱きしめた梓の優しさと琴莉の最期の「幸せ」が切なすぎて涙腺ぶっ壊れた。
序盤は単なる猪突猛進な刑事でそこまで好きではなかったが、後半の梓の働きを見て少し好きになれた。
ただ犯人に対しての制裁が弱すぎる。もっと恐怖が欲しかった。
伊予

座敷童。しかし家から出ないことをいいことにただのネトゲ廃人と化しているロリっ子。
ギャグパートでは屑な発言連発。葵と共に今作のギャグ要素を担っているお方。
しかし最も永い時を過ごしている分やるときはちゃんとやる。真が行き詰った時にはアドバイスもするし、特に真関連になると本気で心配したり怒ったりするなど実際はまこちゃん大好きな所がまた良い。

ゲスの笑い方も好きだし下ネタ発言も好き。
シナリオはおまけのような感じで短め。
しかし琴莉に後悔ないよう成仏させたその姿は伊予の家族に対しての愛情のように思えた。
シナリオ☆3つギャグとシリアスが高い次元でバランスがとれている。
「悪霊」「鬼」等不穏な単語が多くみられる今作だが、蓋を開けてみれば個性的過ぎるキャラのドタバタ劇もあれば琴莉関連での切なさが涙を誘うシーンも多く見られた。
何より家族の温かさを中心に描いた今作は正しく「涙あり笑いありのホームコメディADV」である。
琴莉の正体に関しても本当に良く出来ていた。
…確かに最初のコタロウの散歩の事故の時点で違和感はあったのだが…。
一度琴莉√をやった後に共通等を見返してみると、成程上手く隠しているなと思う。会話も違和感ないように繋げているし、食事シーンも箸を持って食事してないし…。テキスト面でも非常に良く出来ている。

あー…一人だけ箸持って食事してないんですよねえ…。
そして何と言っても琴莉との別れのシーンは本当に素晴らしい。
琴莉の最期の展開が全√で異なり、その全てが感動する。
ハッピーエンド要素のある由美√・琴莉ED2「輝く日常」もあれば、琴莉ED1「リンカネーション」は本当に琴莉の様々な想いが溢れていて反則。手紙シーンはもうダメだって本当に…。
欠点は内容のほとんどが共通√で、個別√が短いことや、シリアスな事件が1つのみで過程は違うものの最終的には同じ展開故にボリュームが少々足りないという感じもする。
それでも非常に良く出来た物語でした。
キャラ☆3つ個性ありすぎるキャラのオンパレード。
鬼に関しても
・ギャグ担当でハイテンションで真を困らせる葵。
・家事担当で真を支える。普段は母親のような優しさがあるが本気で怒ると滅茶苦茶怖い芙蓉
・オドオド系だけど人形のような容姿で可愛らしいアイリス
等。正直琴莉以外のヒロインより目立ってる。

特にアイリスなんて、末っ子なのに凄い良い子。
主人公の真は優柔不断な所も少しあるが、お役目に対しては誠実で、たとえ危険な目に合おうとも依頼をこなそうとする真っ直ぐな好青年。琴莉とのメリーゴーランドのやり取りは本当に泣けた。
そして今作のメインヒロイン・琴莉。今作は正直琴莉ゲーと言っていい程。
不快な要素も一切なく、常に明るく接するその姿は霊だろうと関係ない素晴らしいヒロイン。
正直生きていてほしかった。
音楽☆2.5つOPの「リンカネーション」は最初は良く分からなかったがクリアした後に聞くと心に染みる名曲。そうか…だから琴莉EDのタイトルが「リンカネーション」なのか…。
「悲しくて 壊れそうな時には くちずさんでごらん
このうたを思いだして 勇気をくれる 守ってくれる」
BGMは「sentimental」が特に良かった。別れのシーンで流されると泣く。
Rシーン☆2つ
所々ギャグみたいな所も交じっていたし、全体的に短いシーンだったがCGが非常に素晴らしく出来ていた。
結構シチュがエロい所もあったりするのだが、後半になればなるほどHシーンに悲壮感が増して用途として使えなかった。

変な笑いがでる。
総合95点何故今までこのエロゲをスルーしていたのだろうと思うほどの神ゲー。
昨今のどのゲームよりも心を揺さぶられる。
感動したし笑わせてもらった。
本当に面白かった傑作の一つ。琴莉…来世では幸せになってくれ…。
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- 2020/08/11(火) 18:18:06|
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